脱力してコントロールの質を上げる

フォアハンドについてお伺いいたします。
脱力テニスに取り組み始め2年近くになります。
最近ようやく無意識に力が抜けるようになってきたのですが,先日,スクールのコーチから「手首のスナップを利かせ過ぎ。もう少し手首を固めた方がいい。」といった趣旨の指導を受けました。
実は,榊原コーチの脱力テニスをネットで見つける以前は,昔(?)のスタイルの手首を固めて下から上,後ろから前のフォアハンドでしたが,いつの間にかフラットでしか打てなくなり,スピンのかけ方が分からない状態になっておりました。
そうこうしているうちに手首を痛め,グリップを握りしめる打ち方だと手首に負荷がかかり,医者からTFCC損傷(三角線維軟骨複合体損傷)と診断されました。
約3ヶ月安静にしている間,暇なのでネットで「テニス スピン かけ方」で検索したら,「脱力テニス」に出会いました。

前置きが長くなりましたが,脱力して姿勢を起こし,グリップを握らずに上半身のひねりから腰の回転の流れの中でフォアハンドを打つと,自然と手首がスナップを利かせたような状態になると思うのですが,自分の中では意識して手首を(手の甲側に)返しているつもりはありません。
もちろんインパクトの後にさらに手首を内側(手のひら側)に返すようなことはせず,自然とフォロースルーを取っています。
スクールのコーチ曰く,「手首を反すとボールスピードは出るが,コントロールが安定しないし,ふかす(アウトする)原因になる。」と言われます。

トッププロ,とりわけフェデラーのフォアハンドのスローなどを観ていると,テイクバックから脱力した流れの中で,自然と手首が反っているので決して間違いではないと思うのです。
ただ,確かにコントロール性から考えると,手首が返ることで打点にバラつきがでるという理屈も分からんではありません。
なお,今の脱力した打ち方だと手首の痛みは全くと言っていいほどありません。

脱力した上で手首を固める・・・なんてことは不可能だと思うのですが,この辺り,どう理解したらいいのでしょうか??
また,コントロールの質を上げるために,脱力した上で気を付けることがあればご教授願います。

こんにちは、テニスビズの榊原です。

まさにおっしゃる通りで、フェデラーのように手首をゆるゆるに脱力してスイングすると当然ラケットの重さもありますから、インパクト直前には手首は後ろ側に一瞬コックされた状態になります。
その反射も使ってラケットヘッドを加速しているのも事実だと思います。

実は、フェデラーもテークバックに入る前に相手コート側にインパクト面を向ける『面づくり』(私の造語です)を行っています。

その時にラケットヘッドが立てられ、手首は軽く後ろ側に曲げられます。
そうすることによって、フォワードスイングからインパクトにかけて腕の回外回内が起こりラケットヘッドがしたから上へ加速度的にブラッシュアップされトップスピンがかかるスイングとなっています。

コントロールの質を上げるために、脱力した上で気をつける点はこの部分です。
脱力したまま強烈なトップスピンを掛けるので、ボールは安定して相手コートに収まり、バウンドして伸びて行きます。

これを上手く行うコツは、インパクト直前にグリップエンドがボール方向に向くくらい脱力して手首が後ろへ反れるようにすることです。
この動きはもしかしたらオープンスタンスで行った方が姿勢が置きやすく、やりやすいかもしれません。
くれぐれも胸や肩が力んで肩が上がったりしないようにして練習してください。
今後共テニスビズを宜しくお願い致します。